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瞑想とマインドフルネスの違いを解説。目的の違い、あなたは何を求めている?

2021/07/20

ストレス社会・社内うつという言葉が生まれるほど、頑張りすぎてしまう方が多い現代。瞑想(メディテーション)とマインドフルネスは、どちらも多くの方が実践してることです。



ところで、瞑想とマインドフルネスの違いってご存知でしょうか?

なんとなく「マインドフルネス=ビジネスマン?」「瞑想=スピリチュアル?」なんてイメージを抱え、詳細はわからないままでいる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、瞑想(メディテーション)とマインドフルネスの相違点についてお伝えしていきます。

 

「自分が求めているのは瞑想(メディテーション)?それともマインドフルネス?」。ご自身のことを考えながら、ゆっくりと読み進めていただければ幸いです。

瞑想とマインドフルネスの違いって知ってる?

例えば、座って目を閉じている人が目の前にいたとして「この人が瞑想をしているのか、マインドフルネスをしているのか?」。これを見た目で判断するのは、難しいことです。

いずれの場合も、リラックスできる座法で座り、静かに目を閉じるというプロセスが一般的。さらに、頭の中で行っていることがそれぞれ違う、とも言い切れないのです。瞑想(メディテーション)にもマインドフルネスにも多くの種類があり、没入するまでの過程は手法によってさまざまです。



では、明確に何が違うのでしょう。一番わかりやすいのは、瞑想(メディテーション)とマインドフルネスを行う際の「目的の違い」です。

マインドフルネスの目的

日本マインドフルネス学会で定義されている“目的”は、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」。



仏教には、“ヴィパッサナー瞑想”と呼ばれる「物事をあるがままに観察する」瞑想があります。昨今のマインドフルネスの技術は、ほとんどこのヴィパッサナー瞑想であると言われています。「自分の心をただ見る行為」を行うことによって、精神的、肉体的なメリットを得ることがマインドフルネスの目的です。

さらに「マインドフルネスがどのようにして生まれたか」。これを知ることで、マインドフルネスの目的はさらに理解しやすくなるでしょう。



1979年に、仏教瞑想を体験したアメリカ人の生物学者がいました。彼、ジョン・カバット・ジンは、この感動的な経験をもとに「ストレス緩和法」を研究し編み出しました。
これが、現在広く知られているマインドフルネスの源流です。


瞑想(メディテーション)の目的

瞑想(メディテーション)がベースになっているマインドフルネス。では、瞑想(メディテーション)とはいったいどのようなものなのでしょうか。


瞑想とは、もともとはバラモン教徒が悟りを開き、解脱を求めるための修行法の一つでした。それが時代を経てヒンドゥー教、仏教にも受け継がれ、これらの宗教にとっては欠かせないものとなりました。



ただその効果から、現在では基本的に宗教に囚われることなく、瞑想(メディテーション)は多くの人たちに実践されています。

日頃の私たちは、次々に頭に浮かんでくる思考に意識が向いています。それは自分と対話しているようで、本当の意味で“自分自身”に意識を向けられてはいません。


瞑想(メディテーション)では、自分の思考を俯瞰しながら瞑想状態に入ることで、心を整えたりコントロールするトレーニングを行います。マインドフルネスのように、仕事の生産性やストレス解消など、身体的・精神的な利益を求めないのも瞑想(メディテーション)の特徴であると言えるでしょう。


瞑想状態の脳はとてもリラックスした状態。こうして脳を休ませることで、マインドフルネスで得られる恩恵と同じ効果は手に入ります。しかし、瞑想(メディテーション)の最終目標はリラックスではなく、自分の心を正しく見ることなのです。

瞑想とマインドフルネスの効果

さて、ここまでは瞑想(メディテーション)とマインドフルネスの「目的の違い」について考えてきました。

「瞑想で得られる“効果”に着目したマインドフルネス」ということでしたが、具体的に心身にはどんな嬉しい効果があるのでしょう。

瞑想とマインドフルネスに“共通する”効果

瞑想もマインドフルネスも、目的は違えどいずれも脳の働きによって精神が安定することが知られています。こうした脳への効果がきっかけになって「身体が楽になる!」という方もたくさんいらっしゃるのです。ここでは、2つに共通する効果を紹介していきます。

・リラックス効果

・ストレスの軽減

・不眠の解消

・集中力の向上

・記憶力の向上

・総合的な学習能力の向上

上記の3つは「脳が休んでいる」と感じられる効果ですね。また、目を瞑って内側を俯瞰するという行為自体、ある程度の集中力がないと難しいものです。一般的には、瞑想状態を何度か経験するうちに、集中力を高めるスキルが身に付いてくるのではと言われています。


また「瞑想状態では記憶と経験が整理される」と語る瞑想家の方もいます。

瞑想(メディテーション)でもマインドフルネスでも、身体に得られる効果はほぼ同じ……。

にもかかわらず、2つが明確に区別されている理由は、やはり「何を求めるかが違う」からではないでしょうか。

さて、効果について知ったところで最後に、瞑想(メディテーション)とマインドフルネス、それぞれで「得られるもの」についてお伝えしていきたいと思います。

「何を得たいのか」ご自身に置き換えて今一度考えてみると、両者の違いがよりはっきりするかもしれません。

マインドフルネスで得られる“生産性メリット”

マインドフルネスが大手企業などに導入されていることは、今やよく知られています。

これは先にお伝えした効果によって、仕事の効率化を図ることができると言われているから。具体的にはマインドフルネスによって、「仕事の質」「発想力」「チーム力」の向上に効果があるといわれています。

また、そのリラックス効果から「職場でのハラスメントを抑制する」目的で導入している企業もあるようです。

瞑想(メディテーション)で得られる「心を整える整い」

「利益を求めるかどうか」がマインドフルネスと瞑想の明確な違いである、と書きましたが、これは少し言葉足らずかもしれません。なぜならば、瞑想で「自分の心を正しく見たい!」という思うのも利益を求めていることになるからです。

「心を正しく見る」というのは、正解・不正解を導き出すような価値判断ではなく、“動きを止めて見る”。中には、見ること自体が楽しいから瞑想(メディテーション)をしている、という方もいます。


瞑想(メディテーション)を続けると、生活する上での迷いが少なくなり、「どうすればいいのか」すんなりと選択できるようになります。

物事をあらゆる側面から、色眼鏡なしで観察する練習が瞑想(メディテーション)ではないかと思います。

目的を持って目を閉じるのがメディテーションの鍵!

瞑想(メディテーション)とマインドフルネスの違いについて、お伝えしてきました。

あらためて、私たちが求めているものって、一体なんでしょうね。仕事の生産性?健康?または、迷いを無くしたい……、それとも瞑想(メディテーション)そのものを楽しみたいのでしょうか。

答えは人によってさまざまだと思います。これから目を閉じるその前に、目的を定めてみるとより深いメディテーションが楽しめるはず。ぜひお試しくださいね。

出典元:書籍『瞑想と認知科学の教室』

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すずきあゆみ

東京都在住。全米ヨガアライアンスRYT200修了 画家、WEBライター、料理講師など、すきなことを満遍なくやって生きています。 子供の頃から沈思黙考がすきで、瞑想が日課です。 世界史ファン、インド哲学好き。知りたい欲がいっぱいです。もっともっと勉強します!