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「あなたの心はどんな形?」心を整える5つの処方箋その3

*前回までのおさらい→心には形があるって、本当?

一般的に、心は目に見えないものだとされています。確かに、目に見えないからこそ心の状態を把握するのは難しいですよね。でも、実は精神科医エリック・バーンとその弟子のデュセイによれば、「エゴグラム」という性格診断法を用いることで、心の状態を把握することが出来るとされています。(下記、前回の記事参照)

そして、前回までの記事ではエゴグラムの5つの心理状態の中で「CP(シーピー)」と「NP(エヌピー)」について解説しました。今回は「A(アダルト:以下、A(エー)と表記)」という心理状態について、詳しく見ていきましょう。

心理状態は5種類に分けることが出来る

心の状態を把握するためには、「エゴグラム」という性格診断法を使います。エゴグラムとは、精神科医エリック・バーンによって提唱された「交流分析」の理論を元にして、エリック・バーンの弟子であるジョン・M・デュセイが考案したものです。

まず、交流分析によれば、心の状態は「親、大人、子供」という3つに分けられるとされていました。そしてその後、ジョン・M・デュセイが、心の状態をより細かく以下の5種類に分類しました。

<心の形5種類>

・厳しい親(Critical Parent:CP)

・優しい親(Nurturing Parent:NP)

・大人(Adult:A)

・自由な子供(Natural Child:NC)

・従順な子供(Adapted Child:AC)

エリック・バーンやデュセイによれば、心の形はこの5つの心理状態で表すことが出来るとされています。

あなたのA度をチェックしてみよう!

心の状態「A」って、何?

では、今回は心の状態の中で「Aとは何か?」について解説します。

Aは、エゴグラムによればAdultつまり「大人」という心理状態だとされています。

これは、論理的で合理的な心理状態です。例えば、いつも冷静で客観的な判断や行動が出来るようなイメージです。過去の失敗や未来への不安に心が囚われておらず、「今、ここ」に集中出来ている心理状態とも言えます

エゴグラム上では、知的で感情的にならず、聡明な人はAが高いとされています。そして、Aが低い人は感情的になったり非合理的な性格になりがちだとされています。緊急事態や突発的なアクシデントに直面した時に、落ち着いて行動が出来る人。試験やコンテスト等で本番に強い人は、「今、ここ」に集中出来ている=Aが高いと言えるかもしれません。逆に緊急事態であたふたしがちな方や、本番に弱いと感じている方。そんな自分を変えたいと思っている方は、後半でAを上げる方法を載せておきますね。

あなたのA度を測る10の質問

それでは、実際にあなたのA度を可視化していきましょう。

以下の質問に、はい=◯、いいえ=X、どちらでもない=△で答えてみてください。

深く考えないで、直感で答えることがポイントです。

また、前回の続きとなるため、表記は21〜30となります。

それでは、スタート!

21.相手の顔を見ながら話す方である

22.物事の決断を的確に素早く出来る方である

23.人の意見はいつも賛否両論を聞く方である

24.動作がキビキビして能率的な方である

25.自分の損得を冷静に考えて行動する方である

26.人の情に動かされない方である

27.感情的にならず、言葉を選んで話す方である

28.事実やデータに基づいて判断する方である

29.きちんと計画を立ててから行動する方である

30.身体の調子が悪い時は、自重して無理を避ける方である

質問は以上です。では、次にA度を数値化してみましょう。

あなたのA度を数値化してみよう!

先程の質問で、◯の数=2点、Xの数=0点、△の数=1点として、点数を出してみて下さい。

そうすると、あなたのA度は0点〜20点の範囲で点数が出ます。ここでの点数は、あなたの「今の心の状態」を表したものであり、良し悪しはありません。どんな点数でも、あなたはあなたでOKなのです。

あなたのAがどんな点数でも、あなたは変わることも出来ますし、そのままでも良いのです。

次に、Aを上げる具体的な方法について、解説していきます。

あなたのAの心を整える処方箋とは?

Aを上げる行動の処方箋

ここでは、Aの数値を上げる為に、どのような行動をすれば良いかを書きます。

〜Aを上げる行動例〜

・日記をつける

・感情に流されず、客観的事実を確認する

・結末を予測して、状況全体を把握する

・行動する前に考える

・行動する前に一呼吸置く

Aを上げたい時は、これらの行動を試してみてください。そして、その行動を継続していけば、あなたのAの数値は徐々に変わっていくかもしれません。

Aを上げる言葉の処方箋

ここでは、Aの数値を上げる為に、どのような言葉を使えば良いかを書きます。

〜Aを上げる言葉の例〜

・「問題点は何ですか?」

・「もう一度説明して下さい」

・「もしそうなるとしたら、今何をすれば良いですか?」

この様に、事実を確認し、客観的な判断が出来るようなコミュニケーションを意識してみて下さい。そうすれば、あなたの判断や行動がだんだんと変わってくるかもしれません。

エゴグラムは心を数値化出来る

エゴグラムは、全部で50の質問に答えることで、心を数値化するという性格診断法です。

上記5種類の心理状態について、各0〜20点の範囲で点数が出てきます。それらを総合して折れ線グラフ化する事で、心の形を把握することが出来るとされています。また、エゴグラムは他人との比較や、点数による評価をするものではありません。何故なら、エゴグラムは「今のあなたの心の状態」を表すものだからです。

その為、他人との比較や点数による優劣はありませんので、安心して取り組むことが出来る性格診断法だと考えます。

エゴグラムで心を整えるタイミングを把握する

エゴグラムは、前述したように「今の心の状態」を表したものです。

その為、心の不調のサインとしてエゴグラムを行うことで、心を整えるタイミングを把握することが出来ます。

例えば、しんどい時や健康状態が良くない時に、エゴグラムを実施することで、不調の時の心理状態が分かります。

また、定期的にエゴグラムを実施し、心の変化を記録していけば、不調に陥る時のパターンが見えてくるかもしれません。このように、エゴグラムを活用することで、心を整えるタイミングを把握することが出来ると考えます。

Aは、心を整えるのに理想的な心理状態

今回は「あなたの心はどんな形?心を整える5つの処方箋その3」というテーマで、Aについて書きましたが、いかがでしたか?

Aはまるでコンピュータの様に、冷静で客観的な判断や行動が出来る心理状態です。

そして、「今、ここ」に集中出来る為、心を整える時に理想的な心理状態だと考えます。

もし、あなたが日常生活の中で過去の失敗や未来への不安を感じていることに気が付いたら、それは心を整えるべきサインかもしれません。そんな時は、是非上記の処方箋を試してみてくださいね。

ヨガや瞑想もその手伝いとなるでしょう。

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<出典>

・エリック・バーン「Games People Play」

・ジョン・M・デュセイ「エゴグラム-ひと目でわかる性格の自己診断」

まつお けいすけ

まつおけいすけ

全心連公認プロフェッショナル心理カウンセラー 中学時代いじめを受け、毎日死ぬことばかり考えていたとき担任の先生に救われました。 今度は私が『心の居場所がない人たちの居場所になる!』と決め、プロの心理カウンセラーになりました。現在は福岡でカウンセリングやメンタルの講師等、心に寄り添う活動をしています。夢は『自死をなくすこと』です。